学術資料

弱酸性次亜塩素酸(HClO)水

弱酸性次亜塩素酸水とは

弱酸性次亜塩素酸水とは、次亜塩素酸(HClO)を主成分とする弱酸性水です。
人間の免疫役割を担う「好中球」に次亜塩素酸が生成され生体免疫を司っており、人間にとっても欠かせない活性分子として存在しています。
そのため、従来の塩素系剤と比べて、人体への影響、金属の腐食、経時変化がほとんどありません。

有効塩素の存在率

図の次亜塩素酸領域(破線部分)の中でも、有効塩素存在率が100%に近いところが除菌効果が高くなります。
また、人体への影響を考えると、pH6.5の弱酸性の弱酸性次亜塩素酸水が安全かつ安心して使用できることが分かります。
弱酸性次亜塩素酸水は人体に安全で、かつインフルエンザウイルスなどのウイルス・菌に対しての除菌効果があります。
そのため、弱酸性次亜塩素酸水はインフルエンザ対策に最適です。

弱酸性次亜塩素酸水と従来の塩素系剤との効果比較

比較項目 次亜塩素酸ソーダ 強酸性電解水 弱酸性次亜塩素酸水
(エコロジーウォーター)
pH領域 アルカリ12以上 強酸2.3~2.7 弱酸 標準6.5±0.05
主要塩素 イオン領域ClO- 塩素ガス領域Cl2 次亜塩素酸領域HClO
人体への影響 影響大 影響ややあり 影響ほとんどなし
金属の腐食 腐食大 腐食大 腐食ほとんどなし
経時変化 影響大 影響ややあり 影響ほとんどなし
取り扱い性 保護具が必要 排気装置が必要 容易
塩素ガス 熱湯に入れると危険 発生を伴う なし
希釈作業 原液が身体に付着すると、科学火傷を起こす。 塩酸により錆が発生するため、使用場所が限定される。取り扱いに要注意。 弱酸性で肌にやさしく、除菌力をもつHClO領域のみ存在し、安心且つ安全。人体内にも存在する成分である。

 

弱酸性次亜塩素酸水の用途と使用法

弱酸性次亜塩素酸水は殺菌力や消臭能力の強さだけでなく、ヒトや動物に対する安全性から多くの場所で使用されています。
また、ほかの消毒剤や消臭剤と比較して極めてコストが安いので、食品工場や医療機関、介護施設で使用されています。
しかし、弱酸性次亜塩素酸水は浸透性がないため、表面に汚れが残存しているとその部分にいる病原を殺菌・不活化することは出来ません。例えば手洗いの場合、洗剤で脂肪汚れを落としてから弱酸性次亜塩素酸水を使用すると高い効果が得られます。
使用濃度は、手洗い、機器の除菌洗浄には50mg/L程度で十分ですが、カット野菜の殺菌には100~200mg/Lが必要です。
医療機関では、医師の指導により機器の殺菌に使用することが可能ですが、多くの場合、高水準消毒剤(グルタールアルデヒドや過酢酸)を使用した後、精製水の代わりに使用すると再汚染の防止とコストカットを同時に行うことができます。
また、5~10mg/L程度に希釈すると風呂や身体の洗浄に使用されています。水虫の予防や治療で効果を挙げた例もあります。
褥創の治療でも、治療薬剤と併用することにより効果を挙げることが報告されています。

次亜塩素酸水の学術資料

東京女子医大

北海道大学